こんにちは、リュウです。
今日は「処遇改善加算」と「特定加算」についてのお話です。
令和3年度報酬改定により上記の加算率が変更されたので注意しておきたいところ。
以下、加算に関する解説をしておきますので参考にしてくださいね。
2つの加算について確認
まずはいつものように2つの加算を確認しておきましょう。
今回の加算は本来以下のような正式名称があります。
福祉・介護職員処遇改善加算
福祉・介護職員等特定処遇改善加算
記事内では、それぞれ「処遇改善加算」と「特定加算」と記載しますね。
ちなみに今回の内容は以下のリンク先にも関係書面があるため参考に貼っておきます。
参考にどうぞ。
加算名から見る加算の意味合い
2つの加算はいずれも「福祉・介護職員…」という名称ですね。
福祉や介護の分野では長い間処遇の改善が課題とされています。
それもあり国でも賃金改善のため平成23年度まで助成金を出していました。
平成24年度からは継続的に行うことから加算という形になりました。
福祉・介護職員処遇改善加算
助成金から加算に変更となりこの加算が算定されるようになりました。
年々報酬改定で処遇の改善を推進するため条件や加算率の変更が行われてきました。
具体的には職場環境やキャリアアップ体制構築と処遇改善加算の拡充を推進しました。
いわゆる処遇改善加算算定の階層化が進められたわけですね。
福祉・介護職員等特定処遇改善加算
この加算は「処遇改善加算」から更に踏み込んだ改善を行うために創設されました。
令和元年10月の報酬改定からですね。
具体的には職員の確保・定着を推進していくためです。
難しかった経験・技能に基づく昇給や福祉職以外での改善を目的としています。
令和3年度での変更点
今回の報酬改定では以下の3つが変更となります。
処遇改善加算(Ⅳ)と(Ⅴ)の廃止と期限
特定加算の配分ルールの見直し
加算率
これらについても1度確認しておきましょう。
処遇改善加算(Ⅳ)と(Ⅴ)の廃止と期限
前述したように加算算定においては要件があります。これら要件は事業所での処遇改善による賃金改善だけでなく、スタッフの支援能力の向上も図られるような内容となっています。支援体制の強化やそのための努力が報われるような体制を目指すことが望ましいことから、取得する加算の階層もあげていきたいんでしょうね。年々上位区分の算定が進んでいることから今回の改定では廃止となります。ちなみに令和3年3月31日時点で該当する加算を算定している事業所は1年間は算定を可能とするとのことです。1年間で(Ⅲ)以上の加算を算定できるようにしていきたいですよね。
特定加算の配分ルールの見直し
特定加算の場合は配分ルールというものがありますね。加算算定をして入ってきた金額をスタッフに配分する時のルールです。配分する際には対象となるスタッフをグループ分けすることとなります。具体的には「経験・技能のある障害福祉人材」、「他の障害福祉人材」、「その他の職種」の3つです。その際、「経験・技能のある障害福祉人材」は「他の障害福祉人材」に対して「2倍以上とすること」と割合指定がありましたが、これを「より高くすること」と変更となります。一方で以前からの「その他の職種」は「他の障害福祉人材」の「2分の1を上回らないこと」とするルールは維持とのことです。
加算率と算定方法
これまで加算率を算定するにあたっての調査ではサービスごとの常勤換算職員数や実際に提供している実態等に違いがあったとの説明があり、今後は経営実態調査における従事者数や報酬請求事業所数などを用いることとしています。また加算率に関しては、類似するサービス間の均衡を踏まえ、類似する複数のサービスをグループ分けした上で加算率を算定することとしています。変更に関しては影響緩和の観点から今後の報酬改定において段階的に反映させる予定とあります。
加算率の具体的数値
届け出をするには具体的に次年度予想される加算額の見積もりが必要になります。
具体的数値を算出するには具体的な加算率が必要です。
ということで、2つの加算率を確認しておきましょう。
処遇改善加算の変更後の加算率
処遇改善の加算率の変更は以下の通りです。
今回の報酬改定ではいずれの階層も上昇となります。
処遇改善加算(Ⅰ) 所定単位数 × 5.4%(変更前は5.2%)
処遇改善加算(Ⅱ) 所定単位数 × 4.0%(変更前は3.8%)
処遇改善加算(Ⅲ) 所定単位数 × 2.2%(変更前は2.1%)
※()内は今回の報酬改定前の数値です。
0.1%〜0.2%の上昇はどのくらいの変化となるでしょうね。
前年度と比較してみたいですね。
特定加算の変更後の加算率
特定加算の加算率の変更は以下の通りです。
こちらはいずれも減少です。
特定加算(Ⅰ) 所定単位数 × 1.7%(変更前は2.0%)
特定加算(Ⅱ) 所定単位数 × 1.5%(変更前は1.7%)
※()内は今回の報酬改定前の数値です。
こちらの加算率の減少もまたどのような結果になるのでしょうか。
加算の計算方法
さて、ここまで加算について色々と確認してきました。
ここでは加算を実際に確認してみましょうか。
加算額の計算というと非常に面倒なイメージを持つ人もいるかと思います。
が、実際はかんたんなものです。
ここで確認しおきましょうね。
実際に計算
「処遇改善加算」と「特例加算」の計算は以下のような計算になります。
すでに前年に加算を取得している人は確認のつもりで見てくださいね。
かんたんですよね。
ちなみに1月あたりの総単位数というのは以下のようになりますよ。
こんなカンジで、つまりは「処遇改善加算」や「特例加算」以外の単位を対象としていますね。
書式の確認
普段は各自治体のサイトなどで書式はアップされています。
が、今回は新型コロナウィルス感染症の影響などを加味してか、共通書式を利用するとのこと。
共通書式は厚生労働省のサイトからダウンロードできます。
最初にもリンクを貼っておきましたが、ここでもう1度貼っておきますね。
作る書類
リンクからもダウンロードできる書式。
これを使って作らなければならない書類はなにか。
記入例もあるため大丈夫かと思いますが、確認です。
障害福祉サービス等処遇改善計画書(総括表)
福祉・介護職員処遇改善加算計画書
福祉・介護職員等特定処遇改善加算計画書
こんなカンジです。
総括表で2つの計画を合わせて記入し、それぞれの個表で計画を作成します。
総括表の内容
2つの加算の見込額などを記入することとなります。
前年の金額を元に算出する形なので、具体的数値は年度が終わらないとわかりませんね。
なので、年度末日から計算することができるようになると思います。
よく確認して計算しましょうね。
個表の内容
それぞれの加算についての表を作成します。
加算を取得する事業所ごとに加算の見込額や加算区分を記載していきます。
「処遇改善加算」と「特例加算」それぞれについてです。
複数の事業所がある場合は事業所ごとに確認しておきましょうね。
年度を終えたら実績報告も忘れずに
加算を取得した場合には、事業所側は加算額以上を本人の賃金改善で支払う必要があります。
その証明として年度が終われば実績報告の提出をしましょう。
書式は上であげたリンク先にあるのでそれを使います。
実際に加算として取得した金額と支払った金額を記載します。
もちろん支払った金額が多くなることが必要なので事前に計画的に賃金改善しておきましょう。
まとめ
ということで、今回もここまで。
「処遇改善加算」と「特例加算」は事業所のスタッフの賃金改善に効果的です。
もちろん加算取得には要件を満たす必要があります。
要件はスタッフ・支援の質の向上につながることばかりなので積極的に行ったほうが良いです。
働くことは何もお金のためだけではありません。
処遇改善とスキルアップの意味も込めて導入していきましょう。
それでは、また。