【バイスティックの7つの原則】ケースワークでの受容の実践について

こんにちは、リュウです。

 

今回はこれまで実習生やケースワーカーとして働き始めたばかりの人から受けた質問です。

 

・受容って難しい。自分では違うと思うことでも受容しないとだめなんでしょうか。

・受容の仕方がわからない。実際にどんなふうにしたら良いんでしょう。

 

ケースワークを実践していく上で受容ってとても大事なことですよね。

 

社会福祉士や精神保健福祉士として働いている人たちは学生時代に嫌というほどに言われたことだと思います。

 

ただ、上のような質問を受けることもしばしば。

 

そんな方たちのために「受容とは?」という部分について書いていきたいと思います。

 

受容を理解すればおのずとどんな対応をしていけば良いのかがわかっていくと思います。

 

あくまで受容について確認という内容になっているので、自分は理解できているという方は飛ばして構いません。

 

ということで以下から解説です。

 

受容の意味と実践の仕方

 

 

受容とは、相手の現在置かれている状況や考え・行動に対してやそれに至るまでの過程を理解するということ。

 

つまりその人の考えや行動に単に同調するということではなく、相手がそういった考えや行動に至った過程を理解するという姿勢のことなんですね。

 

確認のためにバイスティックの7つの原則を確認しておきましょう。

 

バイスティックの7つの原則とは

 

言わずと知れたケースワークの原則ですね。

 

さて、原則すべてを覚えていますか?

 

1,個別化

2,受容

3,意図的な感情表出

4,統制された情緒的関与

5,非審判的態度

6,自己決定

7,秘密保持

 

どの程度覚えていましたかね。何かしら忘れていたものもあるかも?

 

受容の意味

 

 

日本語でいうと文字通り「受け入れる」という意味でとられる方もいますね。

 

バイスティックの示した受容は著書の中でも書かれていますが、相手の行動や考えがどのような過程を経てそれらに至っているかを理解するということです。

 

日本語でただ「受容」と表現されてしまうとバイスティックの意図したことと違う捉え方をされかねませんね。

 

ちなみに…バイスティックの示した受容について

 

バイスティックは著書の中でケースワークの7つの原則を示しました。

 

原則のなかで受容のことをAcceptance(アクセプタンス)と表現しました。

 

この言葉を調べてみましょう。

 

Acceptance(アクセプタンス)の意味を調べると…

 

心理学の分野でこの言葉は「考え等の基礎がどのように形作られたかという過程を理解する」という意味として扱われています。

 

バイスティックも同じように著書の中で同様の説明をしています。

 

頭から否定するのではなく理解することの必要性が著書の中でも説明されています。

 

受容の仕方がわからなくなる理由

 

 

少し遠回りをしましたが、受容について書いてきました。

 

今回の質問にあった相手が話す内容について同調はできないということについて。

 

この質問をした人はそもそも原則を理解しているとは言えません。

 

単なる項目を暗記しただけになってしまいます。

 

内容をきちんと確認さえすれば、相手に同調することが原則ではないことを理解できると思います。

 

受容ってどうすればいい?

 

受容について確認できたとして、それをどのように実践すればいいか。

 

バイスティックの言う受容について理解できたら、やることは決まってきますね。

 

相手と話すこと、そしてそれらを整理していくことですね。

 

受容の過程ですべきこと

 

 

相手と話すことが大事だと書きましたが、受容する時は一方的に話をしてもらいがち。

 

ただ、相手ばかりに話してもらうこととなると疲れてしまいますよね。

 

ということでこちらも色々と話していく必要があります。対話ということですね。

 

これについては色々と良いこともあるのでそれについても書いておきます。

 

聞き取った内容を確認して洗練された情報に

 

聞き取るだけでは深い理解には繋がりません。

 

相手が伝えたい内容がきちんと受け取ることが出来ているかを確認することが大事。

 

自分のフィルターでうまくつかめているかがわかりませんからね。

 

相手からの理解が深まる

 

ケースワークではこちら側の理解だけでは不十分です。

 

相手からどんな人なのかを逆に知ってもらうことで支援関係が変わってきます。

 

どんな人間かわからないと自分の話なんて相手もしたくないでしょうしね。

 

受容されていることを相手に感じてもらう

 

自分が話したことを正しく理解してその上で話しているということは相手の安心にも繋がります。

 

どんな考えでも理解してくれようとすることは相談者にとって大きな後ろ盾になります。

 

日本人は悟る力は比較的あるように捉えられがちですが、きちんと言葉にしないと伝わらないこともありますよね。

 

同調と受容は違う

 

ちなみに同調とはそもそもが違うので注意が必要です。

 

あくまでもそれに至る過程を理解することが大事であって、相手のどんな考えにも同調することではありません。

 

受容と同調を間違えるとあとから関係性がこじれることもあります。

 

今までどんな考えにも同調してくれていたのに、同調しなくなったから相談者がそっぽ向いたというケースもたまにあります。

 

同調ではなく、受容しているという意識は常日頃から大事にしたいところです。

 

まとめ:受容の意味を理解しておこう

 

 

今回は受容について書いてきました。

 

もう一度確認しておきましょう。

 

相手の置かれている状況や考え、行動に至った過程を理解しようとする姿勢のこと
あくまでも相手の話している内容をきいてどうしてそのようなことに至ったのかを知ることです。
そして受容のためには相手との対話をし、理解を深め、あくまでも相手のこれまでを理解した上でサポートしていく(もしくは、サポートしている)という姿勢のこと。
バイスティックの7つの原則というとその項目ばかりに目が行きがちではありますが、きちんと理解して日常に活かしていきましょう。
それでは、また。
※ちなみにバイスティックの書籍はこちらです↓