障害福祉サービスの枠組みと全サービス共通の部分について初心者のために解説します‼

・初心者ですが障害福祉サービスについて学びたいです
・すべての基礎となる障害福祉サービスの枠組みってなに?
・具体的に何を学んでおけば良いのかわからない‼

そんな人のために、実際に同じような悩みを持ちながら学んだ経験のある自分が、初心者でもわかりやすいように丁寧に解説しました。

当サイトの管理人は2016年に右も左もわからぬまま法人経営と事業所運営を引き継いで以来、現在この記事を書いている2021年10月現在まで経営・運営状況を改善させ地域からも色々な依頼をいただけるようになりました。

僕たちの事業所では

・新しい利用者が通所したいと言っているんだけど受け入れは可能ですか?
・やってほしい作業があるんだけれどもお仕事してもらえますか?
・新しい制度についてわからないことがあるんですが教えてもらえますか?

などといったご質問・ご依頼をいただけるようになり大変ありがたいことだと思っています。

当ブログ「Local WeekEND」では、
そんな改善に取り組んできた現役管理者が

・初心者でもいちから学んでいけるように
・可能な限りわかりやすく
・専門用語や福祉分野特有の事柄に対しての説明を加えながら
・図や表などを多く取り入れてわかりやすいように解説します。

今回はB型をはじめとした各種サービスの基礎となる 障害福祉サービスの枠組み について解説していきます。

障害福祉サービスってなに?

障害福祉サービスとは、障がいなどを持つ人たちが日常生活で必要とする介助・援助・支援などを受けられるように、国が定めた枠組みで提供されるサービスのことです。

国が法律や規則などで定めたサービスで、必要に応じて利用申請をすれば提供されます。

ウーパーリューパー
人によって必要な助けは違うよね
例えば買い物代行をしてもらったり、一人暮らしに向けた訓練をしたりとか
ナゴロートル
必要なサービスが受けられるように、国は法律や規則などをつくって枠組みを準備
その枠組みの中でサービスは提供されているというものだったよね
こうした枠組みが準備されているのは国の社会保障制度によるもの。
特に、障害福祉サービスの場合は社会保障の仕組みのうちでも、社会福祉と呼ばれるカテゴリーに入ります。
ここでは詳しくは説明しませんが、社会保障の仕組みは日本に住むみんなが関係することなので学んでおくと生活に役立ちます。
ここまでまとめておくと

・障害福祉サービスは障がいなどを持つ人たちが使えるサービス
・日常生活で必要な介助・援助・支援などが受けられる
・枠組みは国が定める法律や規則で出来ていて申請すれば受けられる
・国が準備する社会保障の1つで社会福祉という分野に位置づけられる

といったところを覚えておくと良いですよ。

サービスの種類ってなにがあるの?

そんな社会保障の一環として準備されているサービスの種類は上の図のようになります。
図にあるように、就労継続支援B型も障害福祉サービスの1つであることがわかりますね。
なので、社会保障→社会福祉→障害福祉サービス→就労継続支援B型といった仕組みの流れを知ることが出来ます。
ウーパーリューパー
ちなみに就労継続支援B型と同様に日中活動サービスとしてあげられる生活介護もあるね
この図から、2つは介護給付・訓練等給付と違う枠組みになっているのがわかるよね
ナゴロートル
デイサービスなんて呼ばれることもあるサービスだよね‼

サービスの種類が違うけれども…障害福祉サービスであることに変わりはない‼

障害福祉サービスの種類はたくさんあります。
しかしながら、すべて障害福祉サービスであることに変わりはありません
サービスの種類は違えども、障害福祉サービスは社会保障というシステムの中で動くため、ある程度形は決まってきます。
つまりは共通する部分があるということなんですね。
ナゴロートル
共通する部分?具体的にはどんな部分?
ウーパーリューパー
例えば事業所として運営する前段階で基準を満たした環境を準備する必要があったり、基準にあっていることを確認してもらって認可を受ける必要があったりなどが代表的な共通部分だよ
僕たちの事業所がサービスを提供して報酬を得られるという仕組みも、全サービス共通した部分ですね。
報酬部分だけでなく、サービスを提供する上で全サービス共通した部分は多くありますので理解しておくことが必要です。

共通する部分を理解するとメリットがいっぱい

共通する部分を理解しておくとメリットがたくさんあります。
例えば、

・関連文書を読み解きやすくなる
・役所との相談する際などには話がスムーズにできるようになる
・運営や支援で困った際の判断の後ろ盾として制度をもってこれるようになる

といったメリットです。

共通する部分というのは、障害福祉サービスを提供する上でいわば 共通理解 と言えます。

ウーパーリューパー
これは障害福祉サービスに特化してではないよ
例えば介護保険制度だって、介護保険という枠組みがあって色々なサービスが提供されているよね
ナゴロートル
そっか‼
介護保険制度では介護保険の枠組みという共通する部分があって成り立つもんね!
上であげた以外にも理解しておいてよかったという場面は現場で働いていればあります。
この機会に共通理解を深めておきましょう。

【共通部分1】根拠となる法律を理解しておこう‼

共通する部分の1つ目は、根拠となる法律「根拠法」です。
障害福祉サービスはここまで何度も書いてきたように、社会保障のシステム内の社会福祉というカテゴリーで提供されています。
提供するためには国家として行うことなので、法律が定められます。
ナゴロートル
法律があるんだね〜
ウーパーリューパー
国がやることだから法律は無いとね〜
一部の人が勝手にやるわけにはいかないからね
障害福祉サービスを提供していくことなどを定めた法律が現法の障害者総合支援法であり、この法律が根拠法と呼ばれています。
実際には、他の法律も根拠として存在はします。
が、当サイトでは
・就労継続支援B型についてかんたんに学んでいくため
・初心者でもかんたんに理解していくために
ここでは割愛させてもらいます。

障害者総合支援法ができるまでの流れを知ろう‼

根拠となっている障害者総合支援法ができるまでには上の図にあるような経過があります。
かんたんに解説すると

・従来の措置制度から支援費制度に変わり、利用者が増加
・それによる財政問題をはじめとした数々の課題解決のため障害者総合支援法が制定
・より幅広いニーズに対応するため障害者総合支援法を制定

といったカンジになります。

ウーパーリューパー
はじめはこのくらいで覚えておいて、あとから詳しく学んでいけば良いよ
経過を知ることは大事だけれどもすべて一気に覚えるのは大変だからね‼

ここではかんたんな解説にとどめますが、より詳細を知りたいという人は「【かんたん解説】障害者総合支援法のはじまりまでの経緯」がオススメです。

↓現法ができるまでのながれについて知りたい人はコチラ↓

根拠法に関連するものは? ⇒ 省令、告示、施行規則などもあるよ‼

法律ができると、実施のために必要なルールや考え方についてお知らせが出されます。

それが、省令・告示・施行規則などと呼ばれるものです。

大枠を学んでいるときには特に気にする必要はありませんが、実際に事業所を運営したり支援したりする際には確認が必要となります。

出典:厚生労働省法令等データベースサービス(https://www.mhlw.go.jp/hourei/)

厚生労働省のサイトから利用できるデータベースサービスでは、そうした省令などが見られるようになっています。

大枠を学んだあとや、業務で必要な省令などを調べるときには活用するといいですよ。

ナゴロートル
障害者総合支援法の原文なんかもあるんだね‼
ウーパーリューパー
そうそう‼
原文自体は難しい書き方をされているかも知れないけれども、1度は読んでみると良いと思うよ

【共通部分2】事業所の運営の仕組みを理解しよう‼

共通する部分2つめ目は、事業運営の仕組みです。
根拠となる法律が同じため、事業所運営の仕組みも同じです。
上の図にあるようなしくみで事業所は運営されていきます。
ナゴロートル
これは他の記事などでも取り上げられていたよね‼
ウーパーリューパー
基本的にこの仕組はどの種類のサービスを提供していてもほぼ同じ
だから、この部分を知っていれば色々なサービスを提供できるようになるよ
事業運営の仕組みについて具体的に知りたい人は「【今さら聞けない】現役管理者が障害福祉サービス事業運営の仕組みについて解説(大枠理解)」がオススメです。
関連記事

・ぼくらの事業所ってどんな風に回っているのかな? ・支援で忙しいから事業っていわれてもイメージできない ・自分も障害福祉サービスを提供したいけど、どうしたらいい? 障害福祉サービスはどれも同じような仕組みで運営されてい[…]

事業運営の仕組みを知るって意味ある? ⇒ 自分の業務も仕組みの一部‼

事業所は決まった仕組みの中で運営しており、それが故に必要な業務が存在します。
例えばいつも事業所で支援記録をつけているのは、

・支援をする上で今までの経過情報を他のスタッフと共有するため
・報酬請求する際のサービス提供事実の証明をするため

といった理由があるからです。
事業運営の仕組みを知るということは、単に運営ができるようになるだけでなく業務への意識付けにもなります。
支援スタッフの仕組みへの理解は事故や不正の予防にもつながります。
管理運営・支援の両方で仕組みへの理解は重要なことです。

事業の仕組みを知ると… ⇒ 業務の改善もできるよ‼

事業の仕組みを知ると業務改善にもつながります。
事業の仕組みを知る過程で、事業運営で必要なポイントを知ることができます。
ウーパーリューパー
ポイントを知れば必要なこと、不要なことが見えてくるよ
普段の業務内を見回してみて不要なことを減らせれば、より働きやすくなるよね
普段当たり前のようにしている業務をダラダラとするよりも、ポイントをおさえて要領よくしていくことが大事です。
業務改善のために新しいシステムなどを入れるよりも、ポイントをおさえた業務に改善していく方がコストも掛からず手軽に始められるのでオススメです。

【共通部分3】利用する時の流れを理解しよう

共通する部分の3つ目は、サービスを利用する際には計画を作成してもらうことが必要だということです。
障害福祉サービスを利用するには、

・指定特定相談支援事業に依頼して
・相談支援専門員と呼ばれる人たちに
・サービス等利用計画を作成してもらう

ということが必要になります。

サービスの利用にあたってはこうした流れで進むことが多いです。

ウーパーリューパー
ここで多いと説明したのには「セルフプラン」の存在があるからだよ
セルフプランは計画を作ってくれる事業所がない場合や本人が希望した場合に、本人・家族などが作成する計画のことだよ
ナゴロートル
自分や家族が計画を作成することもあるんだね
ウーパーリューパー
地域によっては指定特定相談支援事業を提供している事業所が少ない場合もあるからね
指定特定相談支援事業を提供している事業所が作成する計画のことを、サービス等利用計画と呼びます。

サービス等利用計画をもとに支援するの? ⇒ 参考にして個別支援計画の作成が必要です

サービス等利用計画は本人の生活全般に対して立てる計画であり、それを実現するために関わる各事業所が立てる計画のことを個別支援計画と呼びます。
ナゴロートル
B型だとサービス管理責任者の人が立てる計画のことでしょ?
ウーパーリューパー
そうだね
サービス管理責任者が聞き取りをして個々にあった計画を立てるよ〜
ちなみにサービス管理責任者の不在や不足、個別支援計画の未作成に関しては障害福祉サービス費の減算にもつながるため注意が必要です。
B型の事業所で行われる支援は、個別支援計画にもとづいて行われます。
いまいちど、個別支援計画を見直してみましょう。

介護保険と似てるよね? ⇒ 構造は似ているけどよく見てみると…

同じような仕組みでサービスの利用が進められるのが、介護保険です。
障害福祉サービスと介護保険の構造は似ています。
上の図にあるようにどちらもサービスの利用にあたっては、担当の事業所と担当者が付き計画を作成します。
ウーパーリューパー
介護支援専門員はケアマネって呼ばれるよね‼
構造は似ていますが、

・介護保険は国が整備する社会保障のうちの社会保険にあたる
・障害福祉サービスは社会保障のうちの社会福祉にあたる

といった違いもあります。

システムとしては似ていても、分類が社会保険と社会福祉と違うのでそこについては確認しておきましょう。

ナゴロートル
社会保険と社会福祉とだと何が違うんだろう?
ウーパーリューパー
介護保険は「保険」であって元々そのためのお金を本人から徴収しているよね
一方、障害福祉サービスは社会福祉制度で財源の多くは税金だよ
他にもいろいろと違いはあるけど今のところはかんたんに確認する程度でOK‼

【共通部分4】関係する法制度を理解しよう

共通する部分の4つ目は、関係する法制度があるということです。

既に前述済みであるように、障害福祉サービスに関係する法制度は障害者総合支援法以外にもあります。

例えば、各種障がいごとに成立している法律や障害者虐待防止法などがそれです。

ナゴロートル
障害者総合支援法だけが法律じゃないもんな〜
ウーパーリューパー
障害者虐待防止法の成立などから障がい福祉サービスを提供する事業所には虐待防止のための取り組みなんかも義務付けられていたりするからね
関係する法制度が成立するたびに、障がい福祉サービスでも対応を求められるようになっています。

例えばどんなカンジで学んでいけばいいの? ⇒ 仕組みを学んでいくと自然と学べることも多いよ‼

例えば、障害者虐待防止法の施行によって義務付けられた、虐待防止対策の仕組み。
これについてかんたんに上げれば、

・虐待防止対策の責任者を専任する
・虐待防止マニュアルの作成
・虐待事案が起きた際に担当者が対応を行う

といったことが義務付けられています。

これらはいずれも障害者虐待防止法が制定されたことで事業所に義務付けられたものです。

ナゴロートル
法律ができることで新しく義務付けられる内容もあるんだね‼

法制度自体を学ぶことも大事ですが、

・障害福祉サービスの仕組みを知る
・その仕組はなぜそうした形となっているかを知る ⇒ 関連する法制度があることを認識
・関連する法制度について学ぶ

といったように学んでいけばイメージもつきやすく理解しやすいです。

ウーパーリューパー
仕組みの中で決まっていることがどのような法律などを受けて準備されているのかを知ることが大事‼

各種障がい種別ごとに成立している法律 ⇒ 各種障がい種別の定義付けがされているので確認しとこう‼

各種障がいに関する定義付けについては、関連する法制度がもととなっています。
この中で各種障がいに関する定義は、

・身体障害:身体障害者福祉法
・知的障害:知的障害者福祉法
・精神障害:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
・発達障害:発達障害者支援法

といった各種法制度による規定をもととしていることがわかります。

ウーパーリューパー
そもそもサービスを提供する対象を定めているのも関連する法制度なんだ
だから、関連する法制度の理解なくしてサービス提供は出来ないよ
ナゴロートル
対象者となるかどうかは法律による定義付けが関係してくるんだね
ちなみに「障害者の範囲(参考資料)」(厚生労働省サイトより)では、

・障害者、障害児の定義
・発達障害児の定義
・条約上の定義
・各種手帳制度の概要
・高次脳機能障害について
・難病について

といったことも書かれています。

資料作成年が2008年ころのものなので多少古いものではありますが、参考にする程度なら良い資料です。

イメージを持ってより詳しく学んでいこう

今回の記事では前半は障害福祉サービスの大枠について解説、後半は全サービスで共通する部分についてかんたんに解説しました。
この記事に書いてあるようにイメージしておけば、とりあえずは大枠を理解したというところ。
学びはじめの頃はイメージを掴むことが重要です。
イメージから詳細に落とし込んでいければ理解は早いですし、実践でも使える知識が身につきます。
この記事は必要に応じてオススメ記事のリンクを追加していくので、時折訪問してきて参考にしていただければ幸いです。