就労継続支援B型事業所の工賃金額の算定の仕方(いくらもらえるか知りたい人は必見)

こんにちはリュウです。今回は具体的な工賃の金額についての記事です。

実際に就労継続支援事業所でスタッフとして働いているけれども利用者の月々の工賃ってどうやって計算しているのだろう。具体的に計算する方法を知りたい。

こんな人に向けた記事となっているので読んでもらいたいです。

ちなみに計算方法を知るということは具体的な数字を扱える事となるので以下のような人にも読んでもらうといいかと思います。

  • これから就労継続支援B型事業所の開設を考えている人
  • 今後ステップアップしていき管理者などの立場となっていく人
  • 現在自分たちが通っている事業所の工賃額はどのように決まっているか知りたい人。

最初に書いておくと、工賃支払いの大枠の理解は4ステップです。

工賃の元金を理解→必要経費差し引き→将来への蓄え→工賃支払い基準を使った算定の4つの工程を踏まえて工賃は払い出します。

それでは見ていきましょう。

事業としてのお金の流入を知ろう

1つの事業所と言ってもお金の流入のルートはいくつか存在しています。

大きく見れば3つあります。

  1. 障害福祉サービス費としてのお金
  2. 事業収益としてのお金
  3. 法人会費等事業所以外のお金

1つ目の障害福祉サービス費としてのお金は以前別の記事でも書きましたが、僕達の様な障害福祉サービスを提供している事業所は利用者がサービスを利用するとサービス提供に必要となったお金が月に1度入る仕組みになっています。

詳細はこちらの記事を参考にしてくださいね。

2つ目の事業収益としてのお金は主に事業をしたときに入るお金で障害福祉サービス費とは別のお金です。

わかりやすく言うと、その中には利用者が作業をして得た収益も入っています。自社商品を売って得た利益や委託事業として外へ仕事をしに行った役務の対価などがそれにあたります。

3つ目は事業を運営している法人格によっても様々だとは思います。僕達の法人の様にNPO法人だと会員から毎年いただく会費などがありますし、社会福祉法人だと寄付なんかがそれにあたります。

使えるのは事業収入から

3つの流入ルートがあるとお話ししましたが、工賃を支払う際にはこのうち事業収入から支払うこととなっており、そのうち作業をして得たお金を当てることとなっています。

1の障害福祉サービス費はあくまでも利用者が通所してきたり作業に取り組める様に支援したりするために使われるためのお金であり、このお金からの工賃支払いは妥当でないことは明白ですよね。

3つ目の会費収入なども同じ理由であり、ここからの払い出しも妥当ではないと言えます。

つまりは工賃はあくまでも労働の対価として払い出されると言うのがルールであるということです。まあ、当たり前といえば当たり前でしょうが。

なので計算としてまず用いられるのは事業収入という部分に該当するお金だと言う事を理解しておきましょう。そしてそのうち作業で得たお金を工賃として実際に払い出していくこととなる事をイメージしておいてください。

作業委託費や売り上げがそのまま全部使われるわけではない

事業収入という枠の作業委託費や売り上げが工賃の元金となることは分かったと思います。しかしこれは全て払い出しされるわけではありません。

商品を作る際に用いた原価や作業の為外部に行く際の交通費などはここから払い出しになります。なので必要経費という形でそれらを差し引く必要があります。

また、全額を1度に支払うのでは無く一時金の様な形で一部金額を後から支払うこともあると思いますのでその事業所によっては必要経費以外のお金も引くことがあります。

それらを全て引いたお金を支払い出しすることとなります。

時給や日給、又はその両方であったり、仕事の内容によって金額などが違うなどの条件を工賃支払い基準として各事業所ごとに定めていると思うので、それに沿って支払い出されます。

最低限の金額は設定されています

就労継続支援B型の事業所は最低賃金の金額の設定が無いなど、同じく就労系のサービスであるA型事業所に比べると金額は低いです。

ただ、国の方でもあまりに低くなりすぎない様に一定の金額の設定はしています。ちなみにこれは年間における基準となっていますので覚えておきましょう。

支払いの基準は年間で見て1人当たりの平均工賃額が月額3,000円以上となる様にしなければならないとされています。

あくまでも事業所に通っている人たちに払い出した総額を人数等の数値で割って出た金額がそれ以上になる様にとのことなので、通所日数が少ないなどが理由で金額が低くい人がいても全体としてあげられれば大丈夫です。

工賃の平均額はいくらか

ちなみに厚生労働省からの発表を見てみると平成30年度の全国平均工賃額は以下の通りです。

  • 全国のB型事業所の工賃平均月額:16,118円
  • 全国のB型事業所の工賃平均時給額:214円

全国平均でこの程度の金額になっています。

一応は前年度よりもどちらの金額も上昇はしていますが、まだまだ少ない金額だなぁと思います。案外仕事できる人もいるのになんて思ってみたり。

金額が全てではないという人はいますが、高い工賃だと彼らも「私生活でできることの枠が広がる」と思いますので高いにこしたことはないです。

ここではあくまで全国平均を取り上げましたが、各都道府県で就労継続支援事業の平均工賃月額は公式に発表されています。

「都道府県名」と「就労継続支援B型」、「平均工賃額」などでググれば出てきます。参考までに近隣の県などと比べてみるといいかもしれません。

市町村等によっては管轄区域の事業所の平均工賃額の情報を収集しているところもあり、就労継続支援B型事業所の簡単な一覧表を持っているところもある様ですので一度聞いてみてもいいでしょう。

まとめ

今回は工賃の支払いの大枠を見てきました。

最後にもう一度確認です。

  1. 工賃は事業収入の作業をして入ってきたお金が元金となる。
  2. 元金のからは原価等の必要経費が差し引かれる。
  3. 事業所によっては一時金用のお金も引かれることもある。
  4. 残ったお金から工賃支払い基準に基づいて支払い出される。

こんな感じですね。案外大枠の理解は簡単だと思います。

これが理解出来ているかどうかで日常の業務内での思考も建設的な話ができる様になりますし、何より利用者へとしっかりと説明した上で支援を受けてもらえるので信頼には大きく繋がります。

日頃の学びが大きな成果を生み出すことになるので、もし良ければ興味のある記事なども読んでみたり定期的に新しい記事などをチェックしてもらえると嬉しいです。

それでは、また。