【かんたん解説】障害者総合支援法のはじまりまでの経過を知っておこう

「障害者総合支援法」

現法であるこの法律ができるまでにも他の法制度はありました。

しかし、改正によって現在に至ったわけです。

障害福祉サービスの大枠を知るには、そうした過程を知っておくと理解しやすくなります。

そのため今回は、

障害者総合支援法ができるまでのながれ

についてかんたんに解説していきます。

事前に読んでおきたい記事はコレ‼

障害福祉サービスの大枠イメージは「障害福祉サービスの枠組みと全サービス共通の部分について初心者のために解説します‼」で確認できるので、事前に確認しておくといいです。

根拠は障害者総合支援法

現在の障害福祉サービスは「障害者総合支援法」や関係令等が根拠となっています。

現法が成り立つまでには、

  1. 措置制度
  2. 支援費制度
  3. 障害者自立支援法
  4. 障害者総合支援法 ←現法

といった経過があったことを確認しておきたいところです。

措置制度の時代

措置制度で障害福祉サービスを提供していた時代がありました。

措置による障害福祉サービスは、

・必要性に応じて
・サービスや施設等を決める

といったかたちで提供されていました。

措置ではサービス利用の開始も終了も行政が決めます。

行政の権限で決めますが、そうしたかたちでのサービス提供は長く続いていました。

支援費制度の時代

措置制度から2003年4月には「支援費制度」に変わります。

措置から契約へ転換です。

利用を希望する人が、

・自分たちで利用するサービスを選択する
・事業所と対等な立場で契約をする

といったかたちで利用するようになりました。

ちなみにここでは当時の制度がわかるように厚生労働省のサイトをリンクしておきます。

出典:厚生労働省サイト「障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第1回)」資料

当時の制度概要がかんたんに書いてあるので参考になります。

支援費制度に変化したことで…

支援費制度がはじまって間もなく、新たな課題が出てきました。

当時の課題として、

・自分で決められるので利用者は増える
・利用者の増加でお金がかかるようになる
・障がい種別間でのサービス内容の格差がある
・地域にサービス提供できる事業所が少ない

といったような課題が見えてきました。

課題を抱えて制度終了→新しい制度へ

支援費制度は2003年に始まりましたが、2006年には終了します。

措置から契約へと変更になったのは前進したといえますが、

それでもまだ制度として長期に渡って提供できるかたちではありませんでした。

障害者自立支援法の時代

支援費制度が終わり、障害者自立支援法による制度のはじまりです。

2005年11月に交付されて、2006年4月・10月と段階的に施行されました。

支援費制度での課題を踏まえて、

・障害福祉サービスの一元化
・就労支援のサービスの創設
・規制緩和
・サービス導入までの透明化
・財源面での改善

といったことを目的としていました。

ちなみにより詳細を知りたい人は以下から確認できます。

出典:厚生労働省サイト「障害者自立支援法の概要」より

現法に最も近い制度なので、参考にすると良いです。

財源確保が大きな問題に

制度設計をする上で大事なのが財源です。

国は当初負担は2分の1を義務として、利用者には定率で負担してもらうことを決めました。

応益負担と呼ばれるしくみです。

この仕組は程なくして利用者の生活を圧迫することとなりました。

負担増で一部改正へ

長い間、応益負担のしくみは問題となっていましたが2010年改正されます。

一定の率での応益負担から

支払い能力に応じた応能負担へと転換したのがこの時期です。

2012年4月からはこの仕組みで負担するようになりました。

ウーパーリューパー
法律の改正自体は2010年でも
実施されるのは2012年からという流れだったんだ
ナゴロートル
法律が出来たり改正されても
すぐには始まらないんだよね〜

障害者総合支援法へ

現法「障害者総合支援法」のはじまりです。

当初、障害者自立支援法の一部改正が行われたものの、

法律・制度としての目的や理念なども見直しをして現法の制定に至りました。

制定は2012年で、その際には障害者自立支援法の名前を変更するというかたちを取りました。

2013年から本格の始動となります。

現法になって変わった点

現法になって変わったところは

・目的が「自立」から変更となった
・地域生活支援事業の促進による総合的な支援体制へ
・対象者の範囲を見直した
・標準的な基準が「障害程度区分」から「障害支援区分」へ
・サービス基盤の整備

などがあげられます。

今回はかんたん解説なので詳細は省きます。

が、これまでの課題・過程をふまえての改正でした。

まとめ

ここまでが、「障害者総合支援法」ができるまでのながれです。

措置から現法になるまでに色々な課題がありました。

現在も整備は続けられるとともに、法律や基準の一部改正は行われています。

僕たちはこうした変化し続ける中で働いていることを理解して日々業務に取り組んでいきたいところです。

 

↓前のページに戻って障害福祉サービスについて確認を続ける↓