どうもこんにちは、リュウです。
今回は業務管理体制整備と法令遵守責任者の届け出についての記事です。
認可を受けて事業を営む上で必要なのが法令の遵守。
ただ、それを各々のスタッフがしようとしても「ルールがわからない」、「ルールを誤って把握している」といったことが起こりえます。
そのため業務管理体制の整備が義務付けられています。
この記事では業務管理体制の整備と法令遵守責任者の配置について学び、ルールを守りつつ安心安全なサービスを提供できる体制を整備できるようになることを目指しましょう。
一般的に「法令遵守責任者」は管理者となっていることも多いため、退職・転属等があった場合には確認が必要です。
そうした人事異動などがあった場合にはこの記事で確認しておきましょうね。
認可を受けるということは
認可を受けて事業所・施設を運営するには、法制度上のルールを守って運営されている必要があります。
認可を受けるときだけでなく、認可を受けてからも同様に必要です。
そうした法令の遵守の必要性から定められているのが業務管理体制の整備です。
業務管理体制について
業務管理体制とは、「ルールに従って事業が営まれているか」を確認する体制です。
僕たちの事業所は行政から認可を受けて運営しています。
そのため定められたルールに従っていることが前提となりますね。
それらを適宜確認する体制が業務管理体制であり、それを整備する義務が事業者にはあります。
法令遵守責任者とは
業務管理体制を整備するうえで、法令遵守責任者の選任が求められます。
責任の所在を明確にするためのもので全事業者が選任する必要があります。
必要とされる資格などはありませんが、法律等の知識が必要です。
多くは事業所の責任者、特に管理者がそれを担うことが多いです。
体制整備の対象は全事業者
法令遵守責任者の選任の内容からもわかるように、事業所や施設を運営している全事業者が対象となります。
体制を作るだけでなく、行政の担当課への届け出も必要です。
対象となる事業者
対象となる事業者は認可を受けて事業・施設を運営するすべての事業者(設置者とも呼ばれる)です。
運営する事業所・施設によって根拠となる法律が違うこともありますよね。
ちなみに障害福祉サービスの場合は、
- 障害者総合支援法
- 児童福祉法
が根拠となる法律にあたりますね。
▼条文による違いについて
また、同じ法律内でも定義されている条文が違うこともあります。
以下に条文ごとで整理してみると
障害者総合支援法の場合
- 指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設
- 指定一般相談支援事業者及び指定特定相談支援事業者
児童福祉法の場合
- 指定障害児通所支援事業者
- 指定障害児入所施設
- 指定障害児相談支援事業者
以上、5条文に区分されるものが対象となっており、これら区分に該当する事業所・施設を運営する事業者が対象となるわけですね。
↓法律内での記載については右「+」マークをクリック↓
- より詳細を確認するなら…
- 今回の業務管理体制の整備については
障害者総合支援法:第51条の2、第51条の31
児童福祉法:第21条の5の2、第24条の19の2、第24条の38
障害者総合支援法施行規則:第34条の27、第34条の61
児童福祉法施行規則:第18条の37、第25条の23、第25条の26の8
に定められるように対応することが求められることとなっていますので、必要があれば一度目を通してみることをオススメします。
つまり事業者として運営しているのが
障害者総合支援法や児童福祉法を根拠として
上記5種類の条文で規定されている事業
である場合、事業者として業務管理体制の整備義務があるということですね。
業務管理体制として必要なこと
全事業者が必要ということで認可を受けている以上は整備が必要だということは確認しました。
ここからは具体的にどのように体制整備をしていくかを確認しましょう。
規模によって整備すべきことは違う
整備とひとことに言っても、事業規模によって必要とされるものは違います。
規模というのは、その事業者がどのくらい指定を受けている事業所や施設を運営しているかということが目安です。
指定を受けている事業所・施設が…
- 20未満:法令遵守責任者の選任
- 20以上から100未満:法令遵守責任者の選任と法令遵守規定の整備
- 100以上:法令遵守責任者の選任と法令遵守規定の整備及び定期的な監査
このように事業者が運営している規模によって違います。
規模は条文の区分ごとに計算する
規模ごとに整備すべき内容は違うとは書きましたが、規模を確認する上での計算は少し特殊です。
先に書いたように対象となる事業者は
障害者総合支援法では2つの条文
児童福祉法では3つの条文
以上、5つの条文で規定されているものとされていますね。
この5つの条文ごとに事業所数を数えることになります。
▼例として指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設の場合
就労継続支援B型と就労移行支援を運営している事業者があったとします。
この場合、「指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設」の事業所が2つ。
よって、事業規模は「20未満:法令遵守責任者の選任」に該当します。
▼上の例に放課後児童デイを運営していた場合
上の例の事業者が放課後児童デイも運営していたとしましょう。
この場合、「指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設」の事業所が2つ、「指定障害児通所支援事業者」の事業所が1つとなります。
よって、事業規模は
「指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設」で「20未満:法令遵守責任者の選任」
「指定障害児通所支援事業者」で「20未満:法令遵守責任者の選任」
とそれぞれで業務管理体制を整備し届け出する必要があります。
このように、事業所ごとにではなく条文区分ごとに整備するかたちなので規模を考えるときも条文区分に基づいて計算します。
整備する内容について確認
規模の計算の仕方を確認したら、必要なものを整備していきます。
整備する項目は前項で説明済みなので、ここでは整備する時によくある疑問について書いておきます。
ここで書かれている内容は僕が公的な文書などで調べたものになりますので、参考に見ておくと良いと思います。
法令遵守責任者には誰がいい?
法令遵守責任者といえば「責任者」なので必要な資格などが気になるところ。
これについては必要な資格はありません。
ただ、少なくとも根拠となる法律や省令を理解している人が適当です。
普段から法制度の内容を把握すべき立場である管理者等が候補となることが多いです。
法令遵守規定ってどんなカンジに作ればいいの?
これに関しても、「このようにしなさい」というのは無いとのこと。
必要なのは事業所スタッフが法令遵守できるような規定を設定することです。
必ずしもチェックリスト等も必要ありません。
要は「規定に基づいて業務を行うことで法令を遵守できるようにしなさい」ということです。
定期的な監査って?
監査といえば、法人においている監事や監査役。
それぞれの法人によって置かれていますね。
そういった人たちが行う監査の際に法令遵守のための監査をしていれば、「法に基づく業務執行の状況の監査」とすることができます。
監査は「内部、外部のどちらでも良いこと」、「必ずしも年1回でなくても良いこと」とあります。
自己点検との組み合わせ等も考慮に入れて日々の点検を行うことが望ましいです。
届け出を出しましょう
業務管理体制の整備ができたら届け出をしましょう。
届け出の方法についても確認しておきましょう。
届出書に記載する内容
届け出にあたって必要な書面は行政のサイトなどからダウンロードできます。
記載する内容は規模によって必要とされる体制にもとづき違います。
ここでは他の申請書類でも必要な事業者の名称等は省略しておきますね。
- すべての事業者:法令遵守責任者の氏名と生年月日
- 20以上:上に加えて法令遵守規定の概要
- 100以上:上に加えて「業務執行の状況の監査の方法」の概要
ちなみに②③のそれぞれにある「概要」という記載については、わざわざ概要を作成する必要はなく、規定をそのまま提出することやすでに監査規程に記載している場合はそのまま提出することも可能とのことです。
届出先
届け出先は、以下の通りです。
ここばかりは参考とした資料ほぼそのままとなってしまいました。
区分 | 届出先 |
事業所等が2以上の都道府県に所在する事業者 | 厚生労働省本省
(社会・援護局障害保健福祉部企画課) |
特定相談支援事業又は障害児相談支援事業のみを行う事業者
かつ すべての事業所が同一市町村内に所在する事業者 |
市町村 |
すべての事業所等が同一指定都市内に所在する事業者 | 指定都市 |
すべての事業者等が同一中核市内に所在する事業者 | 中核市 |
上記以外 | 都道府県 |
まとめ
今回の業務管理体制の整備、法令遵守責任者の選定については以上になります。
最後に今回参考にした資料についてのリンクを貼っておきます。
厚生労働省サイトより
この記事でもかんたんに読めるようには書いておきましたが、実物の資料を確認したい方はリンクから確認してください。
人事の移動で環境が変わる年度はじめなどにはしっかりと確認して、変更が必要であれば手続きをお忘れなく。
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