就労継続支援B型の枠組みについて初心者のためにかんたん解説‼

・就労継続支援B型って?
・仕組みはどんなカンジ?
・何に気をつけて学べばいいかわからない‼

そんな人のために、初心者でもわかりやすいように丁寧に解説していきます。

 

就労継続支援B型(以下、B型)の仕組みを知ることは自分たちの事業について知ることです。

僕たちの事業所でも新しいスタッフが入職したら、まずはココから学んでもらっています。

ウーパーリューパー
B型というサービスについてもイメージを持つところから始めたほうが良いね‼

 

事前に読んでおきたい記事はコレ‼

B型を含む障害福祉サービスの枠組みについて「障害福祉サービスの枠組みと全サービス共通の部分について初心者のために解説します‼」で確認した上で、B型についても枠組みを学びイメージできるようにしていきましょう。

 

B型は障害福祉サービスの1つ

他の記事にもあるようにB型は障害福祉サービスの1つです。

上の図にあるサービス例の他にも色々なサービスがあります。

障害福祉サービスは大きく2種類に分けられる

各種サービスは介護給付・訓練等給付と大きく2種類に分けることができます。

B型は訓練等給付に位置づけられ、「就労」と名前につくサービスは合わせて4つあります。

上の図は障害福祉サービスの内容https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html)(厚生労働省ホームページ)の資料を基に当サイトが作成しました。

B型が提供するサービス

色々な障害福祉サービスがある中

一般就労や雇用契約の難しい人たちに対して

・就労の機会を提供する
・生産活動の機会を提供する
・就労に必要な知識、能力の維持向上を図る
・その他、必要な支援

といったことをB型はサービスとして提供しています。

B型を利用する人たち

障害福祉サービスを利用する人は、障がいなどを持っている人たちです。

その中でも、一般就労・雇用契約を結ぶことが難しい人たちが対象となります。

B型事業のしくみ

障害福祉サービスの枠組み内でB型も運営されます。

そのため、他の障害福祉サービスと運営の仕組みは同じです。

上の図にあるように

・基準に合わせてサービス提供体制を整え認可を受ける
・サービスを提供する
・報酬を請求する
・事業を継続、拡大していく

といった流れになります。

事業収入について

障害福祉サービスの報酬の仕組みは上の図のようになります。

これもまた他の障害福祉サービスと同様です。

自分の事業所の障害福祉サービス費を一度計算して見るのもおすすめです。

計算の際には「単位」や「級地」といった言葉が出てきますので、事前に「【1単位いくら?】障害福祉サービス費等でみる単位の意味と級地での違いについて解説」を読んでおくのもおすすめです。

※ちなみにB型のお金事情についての記事は、「【就労継続支援B型】事業所の運営って儲かる?実際に運営してみてわかったこと」がオススメです。参考までに。

B型事業所の収益特性

B型事業所の収益には特性があります。

通常、障害福祉サービスの収益は障害福祉サービス費等によるものが収益となります。

B型の場合には、利用者の作業による収益も事業所には入ってきます。

これについての詳細は「【就労継続支援B型】健全な運営のためにまずは事業収益の構造について知ろう」を参考にしてくださいね。

事業の収益として入ってきたお金は使いみちが分かれます。

上の図のようになりますが、作業に必要なお金の一部が障害福祉サービス費等から支払われることもあるためあくまでも参考までにです。

利用までの流れ

他の障害福祉サービスと同様に利用にあたり申請が必要です。

サービス選定から利用開始までの大まかな流れは上の図のようになります。

B型でも個別支援計画の作成が必要

利用開始にあたりサービス等利用計画をもとに、B型でも個別支援計画を作成します。

個別支援計画では利用者の課題に合わせた目標と課題設定をします。

計画作成したらモニタリングも必要

設定した目標や課題の見直しのために定期的なモニタリングが必要になります。

B型の場合は、最低でも6ヶ月に1度は実施が必要です。

サービス事業所としてすべきこと

B型にも色々な事業所があり、提供しているサービスも様々。

日中活動をするサービスは他にもありますが、B型だからこそのサービス内容もあります。

就労継続支援B型というサービスだから…

僕たちは日本語を使います。

しかしながら、言葉の意味を理解していないことも多くあります。

上の図のように名前を分割して考えると僕らのサービスのすべきこともわかりやすいですよ。

「就労」と付くのだから

名前に就労と付くので、サービスも就労に関することがメイン。

作業をしたり、働くために必要なことを訓練したりもします。

「就労していくために…」という視点がサービス提供時には必要です。

似ているサービスとの差別化は大切

B型と似たようなサービスを提供できるものに、生活介護があります。

生活介護は介護給付に位置づけられ、デイサービスなどとも呼ばれます。

ただ、B型と同様に生活介護でも作業を行うこともできます。

B型と生活介護では似たところもありますが、差別化することは必要です。

就労のあり方は変化していく

最近では働き方も多様化しています。

昔のように現場に行って働くだけでなく、リモートワークなども広がりました。

障がいを持つ人の働き方も同様に多様化するので、それにあった支援も必要ですね。

「継続」について

利用者は障がいなどがあり、一般就労・雇用契約が困難な人です。

そうした人たちが継続して就労できるようにしていくことが必要です。

障がいの程度や体調の変化を考慮して進めることが求められます。

再現性と自立が継続できる鍵

継続していくには

・再現性が高い方法を用いることで
・本人が自立して働くことができる

という視点を持った支援が大事です。

B型を利用することで継続して就労できるようになるのはたいへん喜ばしいこと。

しかしながら、場所や関わる人が変われば再現できないとどうでしょう?

本質的な問題の解決にはいたりません。

支援について

僕らがすべきなのは「支援」です。

就労継続「支援」のB型だからです。

・「支援」ってなんだろう?
・具体的に何をすれば良いんだろう?
・自分がしている「支援」はなぜ必要なの?

こんなことを考えた上で提供する必要があります。

援助と支援の違い

支援とともに使われるのが援助です。

それぞれの言葉については

支援・「支」は木の枝からの象形文字
・木の枝を使う動作を表し「ささえる」の意味がある
・「援」は手と「ひく」の意味を表す字を足したもの
・「ひいて助ける」の意味をさす
援助・「援」については上にあるとおり
・「助」は人を助けるの意味支援は支えるという形で助け、援助は相手を引いて助ける。
それぞれ助けるという意味ではありますが、

・支援は支えるという形で助ける
・援助は手を引く形で助ける

僕たちがすべきことは支援です。
主体は利用者本人で、本人のすることを支える形で助けるのが支援です。

B型について

B型とありますが、他に就労系のサービスとして
・就労移行支援
・就労継続支援A型
・就労定着支援
といったサービスがあります。
それぞれのサービスが果たす役割があります。

B型という段階だから…

B型は移行支援、A型、定着支援ではなく、あくまでもB型です。
就労意欲がありながら他のサービスを利用する段階にない人が対象。
一般就労や雇用契約が結べない人でもあります。
理由はそれぞれ違います。

課題に合わせてサービス提供

B型の利用をするということは就労意欲のあることは前提となります。
そうした人たちに就労訓練として
働くために必要な能力・知識・作業能力、遂行能力
・コミュニケーション能力
・社会規範
・就労のイメージや意識

といったことを身に着けられるよう支援します。

課題が達成できたら…さらに上の課題へ

今の課題に関しての就労訓練だけがB型の役割ではありません。

・工賃額の向上
・一般就労やA型への移行
・行政、企業、事業所間の連携

このように、現状では課題設定となっていないことなども取り組んでいく必要があります。

訓練を通して養われた能力を活かしたり、持続させたり、はたまたそうした状況を次の課題達成へとつなげていったりするための役割もあります。

B型だから他におまかせすること

B型だからすべきことがあるように、B型だからしないこともあります。

例えば、

・事業所に通所するために送迎を行う
・通院するために利用者の自宅から病院へ送迎を行う

同じ行為でも意味合いが違う

これらはいずれも「送迎」ではあるものの、意味合いが違います。

事業所への送迎・事業所には就労訓練をするために通う
・就労するための訓練
・つまりB型の役割の範疇
病院への送迎・病院には治療や検査を受けるために通う
・健康を整えるための治療
・就労には健康状態の安定は大事
・けれども、健康状態は生活的側面が高い
・緊急時等の介入はB型でも行う
・それ以外は、生活環境の整備のために必要なこと→介護給付の範疇

必要な支援と役割分担

B型でも通院のために送迎を行うことはあります。

しかし、その多くは通所時間中に体調不良で受診を余儀なくされるときです。

先に書いたB型の役割のうち、「必要な支援を行う」にあたります。

ただ、常時または定期的に必要なものはB型ではなく、他のサービスを利用してもらうことも必要になります。

なぜ、やらないのか?

B型と他のサービスとでは役割が違います。

役割として認められているものは基準が示され、報酬が出ます。

その報酬があるからサービスを提供し続けることができるわけです。

先立つものはお金です。

報酬がなければ継続的に同じ支援を提供することはできません。

支援のための環境整備が出来ないからです。

はじめは出来ていても、利用者の増加等で難しくなることもあります。

最初のうちは善意で支援しても継続できなければ

・利用者が結局課題を再度かかえることとなるか
・B型の運営が厳しくなるか

といった状況に陥ります。

本質的な問題解決には善意という感情ではなく、現実にあった対応をする必要があります。

また、福祉の仕事が好きな人ばかりとは限りません。

好きな人もいれば、嫌いな人もいます。

嫌いでも生活していくために仕方がなく仕事をしている人もいるでしょう。

仕事に対する考え方も多種多様です。

そんな人が「善意だから…」なんて言われて納得するでしょうか?

納得(半ばあきらめ)はするかも知れません。

ですが、ストレスはカンジそうですよね。

そうした人の中には「善意」という感情的なものより、事業としてすべきものと考えたほうが納得しやすい人もいます。

「自分たちのサービスの果たすべき役割だから」

それ1つで周囲が納得し、本人も納得できることもあります。

ウーパーリューパー
人それぞれ働く理由は違うし考え方も違う
利用者だけでなくスタッフだって人間だからね

福祉だからといって何でもすれば良いってもんじゃない

障害福祉サービスの提供をするとはいえ、何でもすればよいというわけではないです。
時にはこんなことも必要・困っているけれども少し本人に考えてもらう
・自分から声をかけられるようにこちらは少し待ってみる
・支援の必要性が見られるので他のサービスにつなげる
こうしたことも必要なときがあります。
何でも自分たちの事業所で対応するのではなく、
・自分たちの役割を確認する
・B型としてどのように接するかを明確にする
・やるべきこと、やるべきではないことを決める
・必要な支援、サービスにつなげる
・支援者が納得して取り組めるようにする
と言ったことが必要であり、こうした視点を持って学び実践することが大事です。

まとめ

今回はB型の枠組みとサービス内容について、B型のはたすべき役割について書いてきました。

枠組みやサービス内容についてはかんたんに学べるように書いたのでココから詳細に落とし込みましょう。

役割については生活介護やA型など他のサービスとの差別化の意識は大事です。

学んでいくときには単にB型について学ぶのではなく、「B型だから…」といった視点を持って学んでいくと日頃の業務や連携がスムーズに進むようになります。

この記事が皆さんの何かの役に経てばうれしいです。