【就労継続支援B型】事業所の運営って儲かる?実際に運営してみてわかったこと

・就労継続支援B型って儲かるの?
・B型のサービスを提供したいけれども僕らは生活していける?

就労継続支援B型(以下、B型)は事業です。

そのため、自分も事業者になろうとする人もいるでしょう。

ですが、そうした時に出てくるのが上のような疑問。

ということで、今回は

B型事業のお金事情

について書いていきたいと思います。

※以前までの記事は、不明確な部分もあったため記事内容を改変してみました。

事前に読んでおきたい記事はコレ‼

B型のイメージは「就労継続支援B型の枠組みについて初心者のためにかんたん解説‼」で確認できるので、事前に確認しておくといいです。

就労継続支援B型って儲かるの?

結論からいうと、

・普通にやれば生活できる程度に稼ぐことはできる
・儲かるには仕組みが必要

というのが、実際のところです。

言い換えるならば、稼げるけど儲かるには仕組みが必要ということです。

「稼ぐ」と「儲ける」の違い

この記事を読む上で必要なのが言葉の定義です。

2つはいずれもお金を得るという意味では同じです。

しかしながら、

・稼ぐ:生活の糧としてお金を得る
・儲ける:利益を上げ得をする

といったような、ニュアンスの違いをもって使われています。

今回の記事内ではこの定義を前提にします。

B型事業は法律で定められている

B型のお金事情を知る上で大事なのは事業の仕組み。

B型事業は

・国が社会保障として提供するもの
・公的に行うために法律が存在する
・法律に基づいて仕組みが作られている

という特性をもった事業です。

※この部分について詳細を知りたい人は、後からでもいいので「障害福祉サービスの枠組みと全サービス共通の部分について初心者のために解説します‼」を参考にしてください。

継続性が担保されている必要がある

社会保障として提供するとなると一定期間以上の継続が前提です。

提供し始めてすぐに潰れては意味がありませんからね。

そのため、国としては

・必要な支援を困っている人が受けられること
・支援を継続できるようなシステムにすること

を重視して制度設計します。

事業が継続できる条件

継続するのに必要なものは色々あります。

例えば、場所や物品なんかは必要ですよね。

そうした中の1つとして、「人材」の確保が上がるわけです。

支援をするには人の手がどうしても必要になりますよね。

結論1の理由:人材確保には「生活の安定」が必要

ここで1つ目の結論に行き着くわけです。

事業継続には事業に従事してくれる人が必要です。

従事者の確保には、従事者の「生活の安定」が確保されなければ難しいです。

そのため、生業として稼げる仕組みにはしているわけです。

※生業とは…生活を成り立たせていくための仕事

財源を見てみれば…

そんな生活していく程度には稼げる事業。

では、それ以上の利益を上げるという面ではどうかというと…

これについては、財源を思い出してみるとわかります。

財源の多くは税金

先に書いたように、障害福祉サービス全般は社会保障としてあります。

国が整備する社会保障、特に社会福祉に該当する部分になりますが、その財源の多くは税金によって賄われます。

ただ、税金を使う場合に重要なのがその使い道。

日々のニュースを見てもわかりますが、税金の使い道について問題になることはしばしばありますよね。

税金財源で利益を生むのは色々大変

税金は国などが集めた公的なお金です。

なので、社会のために使われるのが当然。

そうした財源の特性から利益を生み出すという仕組みは作りにくいというのはイメージできるかなと思います。

カツカツでも事業継続できない

とはいえ、利益がなくカツカツな状態だと事業継続はできません。

事業継続のためにはもしもの財源も確保しておかなければなりません。

送迎車が壊れた、最賃が上がったなどと色々とお金はかかりますからね。

そうしたことへの備えとしてやりくりをすれば利益は残るようにはなっています。

結論2の理由:財源と事業継続の観点から見ると良い…

ここで2つ目の結論に行き着きます。

つまり、

・財源が税金であるから多くの利益を得にくい
・最低限のお金だけだと事業は継続できない
・よって、プラスαの利益は多少出るようになっている

という結論にいたります。

実際に運営してみるとわかりますが、他の業種に比べて大きな金額は稼げるような事業ではありませんが、いくらかの利益は上がるようはなっています。

儲けるには?→仕組み化が必要!

ここまでが、今回の解説でした。

が、事業としてB型事業をして

・どうしても生活に必要なお金以上の利益が必要
・自分が目指す支援にはお金が必要だ

という人はいると思います。

そうした人たちのために少しばかり追加で解説です。

必要な仕組みとは?

収益を上げるには仕組み化が必要だと書きました。

が、ここでいう仕組みというのは記事内で書いてきたようなものではありません。

記事内で書いてきたものはあらかじめ定められているものです。

なので、これは変えようがないものです。

仕組みを考える前に確認すること

そもそも、仕組みが大きく儲けられないようになっている事業。

儲けたいのなら効率的な事業・領域でやるべきでしょう。

しかしながら、どうしてもB型で儲けたいというのであれば仕組みを知るべきです。

詳細は他の記事を参考にしてもらうとして…。

ここではいくつか収益のために考慮すべき要素をあげておきます。

元々の仕組みを無視してはいけない

もともと準備されている仕組みは、必要なので存在します。

なので、その仕組みを無視してはいけません。

業務縮小による人件費削減を狙う人もいますが、そのために仕組みを無視した動きをすると痛い目を見ます。

実地指導時などに改善を要求されることになりますしね。

収益の上限は事業を始めた時点で決まっている

B型だけでなく障害福祉サービス全般で収益は最初から決まっているようなものです。

というのも、

・利用者1人あたりの単価上限が決まっている
・受け入れ人数の上限が決まっている

といった特徴があるからです。

詳細は他の記事を参考にしてもらえればわかってきますので、ぜひ参考にしてください。

収益が今後上がる可能性は少ない

障害福祉サービスは社会保障として国が定めた事業なのは何度も書きました。

が、社会保障費の増大が課題となっているのは皆さん知っての通りだと思います。

ということは、国の課題となっている社会保障費を今後増やすことがあるかというと…

下がる可能性の方が想像しやすいですよね。

実際に仕組み化するには…

では、どういった部分を仕組み化していくか。

これについては色々と考えることはできます。

今回は実際に用いられる仕組みについて2つ紹介しておきます。

具体例:事業を広げる

事業としての収益が決まっているのであれば、既に1事業での収益は限界があります。

ということで、数で収益を上げていくというのも収益を上げる仕組みです。

1事業所あたりの収益は少ないので、数で攻めるというイメージです。

急速に拡大しすぎると、

・収益が追いつかない
・スタッフが不足する可能性がある
・サービスの質の低下がおこることも

といった問題が起きることもあるので注意は必要です。

具体例:IT・ICT活用

ここ数年でリモート環境を導入する事業所も増えました。

そうしたIT・ICTの活用による業務効率化によるコスト削減を狙うのも手です。

支援にも手間はかかりますが、案外記録など雑務による負担も大きいものです。

そうした部分を自動化・効率化することは現場のスタッフためにもなりますし、事業所の経費節減にもなるのでおすすめの方法でもあります。

具体例:B型関連で新しい事業

B型事態の収益は限られているので、関連した他の事業をするというのも。

例えば、

・他の事業所へのコンサルタント
・就労訓練プログラムの作成、販売
・情報発信

といったことがあげられます。

最近ではこうしたB型事態でなく、関連事業をメインに据えて行なっている人たちも増えてきているので調べてみると良いですよ。

まとめ

今回の記事はここで終わりです。

B型の事業は冒頭でも書いたように、

・普通にやれば生活できる程度に稼ぐことはできる
・儲かるには仕組みが必要

というのが、実際のところです。

僕としては、本当に稼ぎたいのであればB型のような事業で日々の生活を維持させながら経験を積んで、副業でプラスαを目指していく方が手堅いかなと思っています。