どうもこんにちは、リュウです。
今回は日中活動サービスにおける原則日数の調整についてです。
日中活動としてのサービスを提供していると「原則の日数」という言葉を目にします。
「原則」とあるように決められた日数で利用してもらうことが前提となります。
しかしながら、そうもいかないことが運営をしていると出てきます。
そこで今回はそうした「原則の日数」の内容と日数を超える利用について学ぶことで、ニーズに合った利用ができるようにしていく方法について理解しましょう。
利用者によっては平日休みだと困る人もいますので、原則日数の調整については覚えておいたほうが良いですよ。
原則の日数について確認
利用者はサービス受給するにあたり、受給量が決められます。
その際に「原則の日数」という言葉が出てきます。
原則の日数というのは
という形で計算することができるようになっています。
つまり、ひと月あたり8日は通所を休む必要があるとも言えますね。
「原則の日数」があることで…
利用者の利用日数が多くない場合には問題ないです。
ですが、慣れてきて利用日数が増えてくると日数オーバーもありえます。
基本、日数を超えた場合には障害福祉サービス費等の請求はできません。
▼どんな問題が想定されるか
例えば就労継続支援B型の場合だと、
といった場合には注意が必要です。
作業に従事してもらわないと作業委託契約に問題が出ることがあります。
一方、土日に作業従事すると平日に休みを取らなければ日数オーバーもありえます。
▼平日に休むことができない利用者も
では、平日に休めば良いのではないかと考える人もいるでしょう。
確かにその方法で日数を調整することもできます。
しかしながら、平日は利用者の家族も働きに出ていることもありえます。
そうした場合、支援を要する利用者が自宅に1人で残るには不安をもつ家族もいます。
こうしたことを想定した上で日数の調整をする必要があるわけです。
超過する場合には
「原則の日数」の定めはありますが、どうしても超過することはありえます。
そんな時は、特例届をあらかじめ出しておくことで調整できます。
日数調整できる条件
「原則の日数」を調整するにあたっての条件は
- 日中活動サービス等の事業運営上の理由から必要となる場合
- 心身の状態が不安定、介護者が不在などで特に支援が必要である場合
といった2つの条件が今はあります。
以前はこれに「支援費制度からの流れ」で認められていた条件もありましたが、平成19年3月までの時限的な条件だったのでここではわかりやすいようにあえて削除しておきました。
届け出の提出先
届け出は管轄する都道府県や市町村役場に提出することになります。
上で書いた条件に該当するかなどの相談も届出先となっている担当課にします。
僕の場合も事前に相談しておいたのでスムーズに届け出できましたよ。
届け出の際の2つのポイント
届け出を出す前に注意すべきポイントに付いても理解しておきましょう。
注意すべきなのは、
- 特定する期間は3ヶ月以上〜1年以内であること
- 利用日数の合計は元の原則日数の総数を超えてはならない
という2つのポイントになります。
条件や届け出先がわかっていても、このポイントを外していては申請できないこともありますので注意が必要です。
特定する期間
特例の届け出を出すに当たり、期間を特定して申請を出すことになります。
つまり、「いつからいつまでの期間で日数調整しますよ」という申請の仕方になります。
特定の期間は、「3ヶ月以上〜1年以内であること」が条件となっており、この指定した期間の始まる前月末日までに申請することが必要です。
僕が申請した際には、基本的に年一回の申請で、年度が始まる前に出してもらえればOKとの話でしたのでそのように提出しました。
利用日数の合計
利用日数を調整するとはいえ、通所できる日数が多くなるわけではありません。
元々定められている「原則の日数」の年度総数を超えてはいけないという決まりがあります。
各月の日数 | 対象月 | 月数 | 原則の日数 |
22日 | 4、6、9、11月 | 4 | 88日 |
23日 | 5、7、8、10、12、1、3月 | 7 | 161日 |
20日(21日) | 2月 | 1 | 20日 |
上の表は月ごとの「原則の日数」を整理したもので年間総数を割り出すことができます。
通常は年間269日間、うるう年の場合は年間270日を超えてはならないということがわかります。
▼じゃあ、意味なくない?
ここで出てくるのが、「年間の総数変わらないなら意味ないじゃん!」という意見。
これに関しては少し考えてみればわかります。
「原則の日数」はあくまで「月の全日数」から「8日」を引いただけのものです。
つまり「祝祭日」や「事業所独自の休み」などは加味されていません。
なので祝祭日等がある月は「原則の日数」よりも大幅に利用日数が減りますよね。
その分を他の月に持ってきて調整することができるようになるというわけです。
▼「原則の日数」の「調整」
「原則の日数」の調整に関してはしばしば勘違いが起きます。
利用日数を増やせるという勘違いです。
しかしながら上の説明を見てみればわかるように「調整」でしかありません。
総数は年間で定められた日数を利用者のために有効に活用することができる特例であると考えたほうが良いでしょう。
申請の際に必要なもの
申請にあたって必要なものとして、
- 特例申請にあたっての書類(申請書類)
- 年間スケジュールなど実際の日程調整の内容がわかるような書類
といったものが必要となります。
申請書の書式
申請書類は自治体のホームページなどに上がっていることが多いです。
探す際の検索の仕方としては、
といったキーワードで検索をかけると出てくるかと思います。
▼自治体によっては転用書式ということも
中核市などでは市に直接届け出を出すこともあります。
しかし書式自体は都道府県の書式を転用していることもあります。
「市では特別準備しないので県の書式をそのまま使って提出してね」ということです。
そういったことも考えられるため書式についてわからない場合は窓口に確認することをおすすめします。
申請書の記載内容
他の書式と違うのは、特定した期間を記載する必要があります。
年度初めに提出するなら「〇〇年4月〜〇〇年3月」といったようにです。
なので予め特定する期間を決めておきましょう。
また、その理由の記載も必要となることが多いです。
理由については前述した
- 日中活動サービス等の事業運営上の理由から必要となる場合
- 心身の状態が不安定、介護者が不在などで特に支援が必要である場合
といった2つの条件のうち該当項目と内容を記載することとなります。
年間スケジュール等の書類の準備
現段階でどのような通所となる予定であるかを示す必要があります。
そのため年間スケジュールなど参考となる資料の添付を求められます。
その際には年間スケジュールや事業計画などを提出すると良いでしょう。
うちの管轄の自治体では任意書式で良いとのことで、事業所で作った年間スケジュールを提出しました。
自治体によっては所定の書式があることも想定されるためきちんと確認しましょう。
申請後は…
申請して許可がでたら日数の調整を行うことができます。
当然、許認可関係はしたら終わりでなく、申請が通ったあとも管理は必要です。
超過の状況を管理
特例とはいえ先にも書いたように年間での総日数は決まっています。
そのため、日数調整がきちんと行われオーバーしないようにする必要があります。
「月当たりの利用日数」、「年間の許容日数(何日間使ってもいいか)」といったことを事業所は把握しておく必要があるため、管理をきちんとしておきましょう。
書式が決まっている場合は自治体のサイトなどで確認できると思います。
報告も必要
特例を申請したとはいえ、実際に超過する月に関しては自治体も把握しておく必要があります。
そのため、利用日数管理票などで適宜報告を必要とします。
書式やどのように報告をすればよいかなどは担当課に確認した上で行いましょう。
特例申請をしないと請求できないのか
特例申請をしていないとどうなるかという疑問についても。
元々の「原則の日数」を超えてのサービス受給となるため報告していないと請求の際にエラーが起きます。
これについては「【報酬制度・国保連】なぜ国保連を通して報酬は支払われるの?」で仕組みを理解すればわかりやすいと思います。
請求の際には受給状況についての情報が国保連から自治体に入ります。
ここで本来受給が認められていないものに関しては請求に誤りがあるとして返されます。
そのため、あらかじめきちんとした手順で特例の申請が必要となるわけです。
おまけ
ここまでが通常の「原則の日数」とその特例についてのお話でした。
ここからはおまけとして、関連する内容について書いていきますので参考にしてください。
市町村が認めた場合は「原則の日数を超えた」利用も
厚生労働省からの通知を確認してみると、原則日数を超えての利用もあり得るとのことです。
通知はコチラ↓
日中活動サービス等を利用する場合の利用日数の取扱いに係る事務処理等について
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知 平成18年9月28日
就労継続支援B型の場合
- 「利用者の体調を整えるために利用頻度を上げるため」
- 「作業受注上どうしても必要」
- 「一般就労に向けた訓練の一環として必要」
必要に応じて調整をしよう
今回の記事はここまで。
「原則の日数」について理解し、特例の申請方法を確認することで利用者のサービス利用の自由度は少しばかり広がります。
一方で、日数調整ができるからと言って無理をしてしまうことで体調を崩すこともあるため、十分本人や家族の意向やほんにんの健康状態を把握し相談の上で調整していくことが必要です。
はじめから「原則の日数」調整ありきではなく、あくまでも支援として必要な時にこの記事を参考にしてもらえると幸いです。
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